不良少女モニカ
2015年6月18日
久しぶりのベルイマン先生。
ベルイマンの作品を観ると、背筋が伸びる。
圧倒的な目線。いや「圧倒的な目線」じゃ意味がよく分からないか。
なんと説明すれな良いのか人を見つめる目なんですよね。そこに凄みを感じるんです。
俯瞰してみているというか。神の目線のようなものがベルイマンについているというか。
絶対に甘い現実を描かない。甘い願いを反映させない。
このキャラクターがこうだったらいいのに、こういう展開になったらいいのに、この二人がくっつけばいいのに
という作家的な情をはさまない。オーディエンス的な願望に一切こびない。
後の作品ではコメディとかもあるんだけど、コメディでもそういうベルイマン特有の神の目線はある。
こういう人間たちがこういう状況におかれたらこうにしかならないだろう
という法則にのっとって描いている感じ。
ひたすら不幸というわけでもなく、そこには幸せもあり。
感情をはさまないって、ロボットみたいという意味ではなく無駄な感情に流されない、作品を左右させない、という意味。
すごく感情の流れてる有機的な人間が無機質な法則の中であがいてるんですよ。
一つ難点をいうなら同じベルイマン作品の「夏の遊び」とちょっと似てる。テイストが。
どっちも大好きだが。
後の宗教的な神を否定しまくる作品も好きだけどこういう作品もいいなあ。
それと画がいつもいつも美しい。
スウェーデンの自然が本当に美しい。
ベルイマン最高でした。