特異な設定もその世界の中では日常
2015年10月7日
まだ途中なんですけどね。
頭使いたくなくて楽に見れそうなやつを適当に選んで借りました。
アンドリュー・ニコル監督「TIME/タイム」。
設定がすごく面白い。
通貨が時間になっていて、人々は25歳までは人生を約束されていると。見た目も永遠に25歳。
その後は腕に残りの寿命が刻印され、労働やらで時間を獲得していかないといけない。腕の刻印がゼロになる死亡。
富裕層は100年以上刻印されている。
25歳で成長も老化も止まるので母親が主人公と同じ様な年齢の見た目だったりする。
買い物すると腕の刻印が5分減ったり1時間減ったりする。貯蓄額なんですな刻印が。
ようはそういうネタの積み重ね。設定の面白さだけで突っ走ろうとでもしているかのような。
2cnとかの「犬の世界にスレが立ったら」「江戸時代に2chがあったら」とかとノリは一緒に見える。
まだ途中なので判断は時期尚早かも。
どうしても気になるのが、その変わったシチュエーションの世界を内側から特異なものとして描いてしまっているということ。
その世界にもぐりこんだフォリナーが客観的視点で体験するのではなく、あくまでもその世界の中の話なのに。
それはありえない。
どんな世界も、そこの住人にとっては当たり前のもとして存在しているわけで。
欧米にとって日本の風習は特異なものかもしれないけど、我々日本人にとっては普通の日常。
また、アフリカなどの少数部族の暮らしぶりは我々にはありえない世界だけど、当人にしてみればただの日常。
こんなこともあるよ、こんなこともあるよ、なんて設定説明のシーンは巧妙にやらないといけないのではないかなあ。
その点スピルバーグとかは特異な世界を日常のレベルに消化させてからストーリーを構築しているので純粋に異世界を楽しめるし、やっぱすごいんだなーと。
ジュラシックパークとか、ありえなくてもを身近に感じさせて楽しませますからね。
そういった意味じゃ日本のアニメのエヴァンゲリオンとかガンダムも世界観の構築はものすごいけどね。
実ははじめからストーリーを見せる気などなく、この設定を楽しんでね、っていう映画なのかもしれない。
あともう一点、ヒロインの方はどうもプロの女優には見えない。何故なんでしょ。ゆっくり探るとしよう。
ちなみに昨日観たのはロマン・ポランスキー「チャイナタウン」。
これは何度も何度も観るべき作品。ジャックニコルソンが何故か二枚目。で、名演。
素晴らしい作品。でもポランスキーに噂される女優とかに手を出すってのはすごく嫌い。
本気で結婚したいとかならさておき。
自分はそういうのはだめだと思ってる。溝口健二巨匠も女優に手を出したスタッフはすぐ解雇したらしいしね。