真空地帯
2015年7月15日
山本薩夫監督、1952年。
「真空地帯」
50年代の日本映画はやっぱりいいなあ。この時代の邦画見るの割と久しぶりです。
音声の状態、フイルムの状態は良いとはいえません。
軍隊という閉ざされた世界の中の人間模様を描いた作品。若干小林正樹監督の超大作「人間の條件」とかぶるかも。
異常に厳しい上下関係や、賄賂、暴力、いじめ。不思議な連帯感や、戦時中の恋愛事情。
リアルかどうかはわかりません。実際を知らないから。
描き方としてリアリティ重視に思えます。BGMはほぼなし、誇張は少なくリアリティのある演技、たがしかしカメラによる表現は随所にある感じ。
あれは撮影監督のアイデアなのか、山本薩夫監督の指示なのか。
山本薩夫監督といえば(そんなに見て無いけど)若尾文子さん主演の「氷点」が印象深いっす。やっぱり。
氷点って主人公・陽子の心が凍った瞬間のことなんすよね。ぞくぞくしますわ。
若尾文子さんの演技が素晴らしい作品です。
写真は左が木村功さんで右が加藤嘉さん。
木村功さんは世間的には七人の侍だと思いますが自分は成瀬巳喜男監督「杏っ子」。くずっぷりが素晴らしい。
加藤嘉さんはなんといっても「砂の器」での父親。あの神演技はたまりません。砂の器見て無い方、これだけは是非に。
砂の器といえば野村芳太郎監督ですが野村芳太郎監督の弟子であられる山田洋次監督はこの真空地帯出演してるんですね。俳優として。
正直どれが山田洋次監督かわかりません