THEガジラ「ルル」
2015年6月19日
2015年 6月18日(木)~21日(日)@下北沢 小劇場B1
【原作】F.ヴェデキント(地霊/パンドラの箱より)
【上演台本・演出】鐘下辰男
初日観て来ました。
岩野未知さん(以下おいわ)主演の舞台。
おいわは「アイニヨミガヘルヒ」陽子役・スガナミちゃんと共に原田眞人監督「自由恋愛」で出会ったお方。炸裂してます。
今回もガチな戯曲を視覚的聴覚的に攻めて攻めてアーティスティックに見せる舞台。
色彩はほぼ黒と赤、清純な人の清純なときだけ白の衣装。
音もシチュエーションを体感させるようなサウンドがガツンときます。
それとキャスティングの妙。いやこれぞキャスティングの妙です。なるほどという感じです。
the チャレンジですよね。演劇ならではの舞台作品ですね。
前回のロミジュリでも思ったけど、これは役者としての力量が必要だなあ…。
難解な戯曲的な台詞を正しく放出できるバディに役柄とシンクロできるメンタル、独特な演出方法を理解して昇華させる知性。
客で見てると、冷静なものだけど演じているほうは本当に戦場だろうなあと思います。
おいわとかまじスゴイっす。
筋を簡単な言葉でいうと愛憎劇で、これはキツイなあというシチュエーションの中で翻弄されながらあがきながら生きていく人々って感じ。
その中では一滴の真実の愛らしきものもあったりする。
心情的な部分の舞台的な見せ方がアートというかアーティスティックに感じる所以かと思います。
自分ならどう演出するでしょうね。
ボロボロにならざるを得ない強くならざるを得ない主人公の心情だけにフォーカスをおいて地味に地味にシチュエーションを重ねて作っていくでしょう。
汚れた世界で生きる主人公ルルの一滴の真実、みたいなものが最も美しいポイントだと思うんですよね。
果たして自分のやり方でやってそれが面白いのかはわかりませんが。すっごい地味になるだろうなあ。アーティスティックには出来んだろうなあ。
私はまっすぐ君なので、良くも悪くも地味ですね。
色々勉強だー!!!!
出演者スタッフの皆さんお疲れ様でした、楽日まで駆け抜けてください